大阪大学では、革新的酸化剤である「要時生成型亜塩素酸イオン水溶液(MA-T®)」のメカニズム解明・応用化研究を進め、昨年9月から独立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラムによって実用化研究を進めています。このたび、研究グループはMA-T®が新型コロナウイルスに対しても1分間の接触試験で有効に消毒できることを確認しました。
MA-T®は、㈱エースネットが17年の歳月をかけて開発した除菌・消臭剤のシステムで、ANA、JAL、PEACHなど日本のほぼすべての航空機で採用され、多くのホテルでも利用されています。羽田国際線ターミナルの100ヵ所以上のトイレでは除菌・消臭を目的に噴霧も行われています。
これまでにMA-T®の消毒効果については、0.01%含む水溶液が、2002年、2012年にそれぞれ流行したSARSコロナウイルス、MERSコロナウイルスに対して有効に消毒できることが実証されていました。
新型コロナウイルスに対しての効果も明らかとなり、医療現場における二次感染の防止のほか、マスクや防御服に対しても消毒して直ぐに使うことのできる液剤として役立つことが期待されます。

MA-T®を含む溶液を使って1分間接触させたときの消毒の効果
新型コロナウイルスを含む各種ウイルスで高い阻害効果を確認(微生物病研究所松浦善治教授らが実証)